佐藤つかさ
本日の紹介は、こちらっ。
少女思想機械 Imagining Machine Girl
作:木野目理兵衛 様
Ncord:N9465C
時はは1887年。舞台は大詠帝国・論曇(ロンドン)
はびこるのは【ドッペルゲンガー事件】と呼ばれる謎の怪事件。
保因者(キャリアー)と呼ばれる、狼男や吸血鬼のような存在が共存しているこの街では――容疑者はほぼ論曇市民全員だと断定してもおかしくはない。
ではどうする?
……諸君、忘れることなかれ。
この論曇には、誇るべき三つの頭脳が在ることを。
ひとつは優秀な人材をかき集めた論曇警視庁(スコットヤンドヤード)
もうひとつは、霧の都を光で晴らす名探偵・シャーロック=ホームズ。
そして最後に――そのホームズに負けず劣らぬ名探偵が存在する。
しかして彼女は人にあらず。
だが――保因者ですらない。
血肉の代わりに大小幾万もの歯車によって命を奏でる義態人形――つまりは機械。
彼女の名前はノイラ=D=エディソン。
この世で唯一、悪魔のパズルを解き明かせる最高の頭脳の持ち主である……。
――そんなわけで、今回はハード推理ものです。
ルネサンスの発祥地こと至梨亜(イタリア)や技術に長けた土壱(ドイツ)など、歴史を忠実に守りつつも面白く練り直し、見事なパラレルワールドを構築。
さらにオリジナリティを追求して、【義態技術】という高度技術を盛り込んでいます。
失った手足を代用するための機械の四肢。
極小レベルの歯車や、人工再現された神経や血液の技術。
医療目的で作られたそれは――やがて科学によって思わぬ方向へと歪められます。
一部を再現することが出来るなら――【全体】を造ることだって……。
それはまさしく人間の創造。神の真似事でした。
その研究によって生まれたのが、ノイラ=D=エディソン。
人以上に完璧で――ゆえにこそ人として不完全な機械人形。
彼女が事件を解決させていく過程。
緻密なまでに描かれたオリジナリティあふれる世界観。
作者独特の描写テクニック。
小説家になろう屈指の濃厚な世界描写の力を、ご堪能くださいませ。