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お勧め小説Vol.3
2009-06-23 00:00:38

 本日の紹介は、こちらっ。

 少女思想機械 Imagining Machine Girl
 作:木野目理兵衛 様
 Ncord:N9465C


 時はは1887年。舞台は大詠帝国・論曇(ロンドン)
 はびこるのは【ドッペルゲンガー事件】と呼ばれる謎の怪事件。

 保因者(キャリアー)と呼ばれる、狼男や吸血鬼のような存在が共存しているこの街では――容疑者はほぼ論曇市民全員だと断定してもおかしくはない。

 ではどうする?


 ……諸君、忘れることなかれ。

 この論曇には、誇るべき三つの頭脳が在ることを。


 ひとつは優秀な人材をかき集めた論曇警視庁(スコットヤンドヤード)

 もうひとつは、霧の都を光で晴らす名探偵・シャーロック=ホームズ。

 そして最後に――そのホームズに負けず劣らぬ名探偵が存在する。
 しかして彼女は人にあらず。
 だが――保因者ですらない。

 血肉の代わりに大小幾万もの歯車によって命を奏でる義態人形――つまりは機械。


 彼女の名前はノイラ=D=エディソン。


 この世で唯一、悪魔のパズルを解き明かせる最高の頭脳の持ち主である……。 



 ――そんなわけで、今回はハード推理ものです。

 ルネサンスの発祥地こと至梨亜(イタリア)や技術に長けた土壱(ドイツ)など、歴史を忠実に守りつつも面白く練り直し、見事なパラレルワールドを構築。
 さらにオリジナリティを追求して、【義態技術】という高度技術を盛り込んでいます。

 失った手足を代用するための機械の四肢。
 極小レベルの歯車や、人工再現された神経や血液の技術。

 医療目的で作られたそれは――やがて科学によって思わぬ方向へと歪められます。
 一部を再現することが出来るなら――【全体】を造ることだって……。

 それはまさしく人間の創造。神の真似事でした。


 その研究によって生まれたのが、ノイラ=D=エディソン。
 人以上に完璧で――ゆえにこそ人として不完全な機械人形。


 彼女が事件を解決させていく過程。
 緻密なまでに描かれたオリジナリティあふれる世界観。
 作者独特の描写テクニック。


 小説家になろう屈指の濃厚な世界描写の力を、ご堪能くださいませ。